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【10月の料理教室】湯気ある暮らし~せいろを使った秋のごはん~

今日から11月。

11月といえば紅玉の季節ですね。

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紅玉といえば、その甘酸っぱさが林檎のタルトにぴったり。

気温もぐっと下がり、バターの香ばしい匂いが恋しくなります。

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そしておなじく、湯気のぼるあたたかいものがおいしい季節になりますね。

 

先日の料理教室のテーマは、「せいろ」でした。

せいろを使って秋の食材をふんだんに使った献立を数品作りましたので、ご紹介します。

 

10月の料理教室 

今回の献立はこちらです!

〇きのこの中華おこわ

もち米は炊飯器でも炊けますが、やはり「炊く」より「蒸す」 がおすすめです。

うるち米に比べてもち米は粘りが強いため、お釜(炊飯器)の中では対流がうまくいかず、均等に炊き上がらないことがあります。また、うるち米に比べてもち米は給水力が大きいため、うるち米のように水を加えて炊くと柔らかくなりすぎてしまうことも。

 

〇菊花しゅうまい

包まないので、シュウマイを包むのが苦手・・・という方にもおすすめ!華やかなので、おもてなしにもピッタリです。

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〇豚肩ロースの蒸し豚~酢豚仕立て~

赤身と脂身のバランスのいい豚肩ロースを塊ごと蒸します。

せいろなら、100度以上にならないので火加減いらず。柔らかくしっとりと仕上がります。今回は蒸した豚を甘酢にからめます。

蒸してほくほく甘い秋野菜を添えて、油を使わないヘルシー酢豚に仕上げました。

〇秋の蒸し野菜 

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デザートには無花果、食事に合わせて小豆を煎じた小豆茶をお出ししました。

なぜ、加熱して食べるのか?

今回のテーマはせいろ。せっかくなので、「蒸す」をはじめとする、さまざまな加熱法について、みなさんと一緒に考えてみました。

 

なぜ、わたしたちは食材を加熱して食べるのでしょうか?そのとき、食べ物にはどんな変化が起きているのか。栄養素は?味は?安全性は?

 

さらに、そのときの熱の伝わり方の種類についても確認しました。

熱の伝わり方は、おもに3つ。伝導、対流、放射です。


ガスコンロにやかんをかけてお湯を沸かすシーンを想像してみてください。

ガスの炎がやかんの底を暖め、その熱がやかんの内側へ、そして水へ伝わっていく、これが伝導です。やかんの中では、下部の水が温められ、水が上部に移動し、上部の温度の低い水が下部に移動します。これを対流と言います。
一方、コンロの前に立っているあなたが、熱いなぁと感じるのが、放射です。

では、電池レンジは・・・?

電子レンジとせいろの温め方の違いが分かると、なぜ電子レンジでチンしたパンや中華まんがすぐに硬くなってしまうのか、なぜ蒸したさつまいもの方がほくほくと甘くおいしいのか、おいしい!の理由が分かります。

 

今でこそ、電子レンジがどの家庭にもありますが、みなさんのおばあちゃんの台所にはせいろがあったのです。

電子レンジはボタンを押すだけ、どなたでも気軽に使える道具ではありますが、 同じようにせいろも、火加減いらずで気軽に調理できる初心者向けの道具です。

少し時間はかかりますが電子レンジと同じように温め直すこともできます。 手軽さはそのまま、料理の仕上がりの違いは歴然!

大切にしたいことは、 料理は早さよりもおいしさが本質ということです。

 

料理教室終了後には、みなさんせいろを取り入れてみよう!と盛り上がりました。一家にひとつあれば、蒸しやさいに、おこわ、蒸し豚に、シュウマイ、買ってきた中華まんだっておいしくなりますよ。

今年の冬、せいろからあがる湯気でほくほくあたたかな食卓、始めてみませんか?

 

とり